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集客に適した開催時間帯とは?

適した開催時間帯はいつなのか?

何らかの場を開くとき、どのようにして「開催時間帯」を決めていますか? それは、ターゲットとする人たちにとって、本当に参加しやすい時間帯でしょうか?

ターゲットとする人たちが参加しやすい時間帯は?

仮にそれが2〜3時間枠の場なら、例えばこんなバリエーションがあります。

・平日午前中
・平日午後
・平日夜
・土日午前中
・土日午後
・土日夜

もちろん、深夜や早朝でも構いません。
まずは、その中から「ターゲットとする人たちが参加しやすい時間帯」を想像します。

ターゲットが「小学生」なら、平日の昼間に場を開いても、多くの小学生は小学校にいるので参加出来ません。ただ、「学校に行っていない小学生」がターゲットなら話は別です。
「働いている人」なら、一般的には「平日夜」と「土日」の2択です。しかし言うまでもなく、「平日夜や土日は働いている」という人だっています。

このように、参加しやすい時間帯というのは、あくまでも大まかな傾向に過ぎません。

あえてターゲットが参加しにくい時間帯を選ぶ主催者

それでも、わざわざターゲットが参加しにくい時間帯を選んで場を開くケースがあります。

例えば、「働いている人、出来れば若い人に来てほしい」と言いながら、平日昼間に場を開くようなケースです(勤労世代や若い世代の多くは、昼間は居住地域にいません)。行政など公共性の高いところが住民向けに開く場づくりでは、このパターンがよくあります。

こういう主催者の頭の中は、例えばですが、こんな感じになっています。

いつも地域の高齢者が集まってくれている
  ↓
内容的に、本当は若い勤労世代や学生にも参加してほしい
  ↓
でも若い人はきっと来てくれないし参加人数が少ないのは困る
  ↓
ここは安全にいつも通り高齢者が集まる平日昼前に開催しよう

好ましくないと自覚しつつも、自分たちのセーフティーゾーンに留まっているのです。ある程度の参加人数を成果として求められると冒険がしにくいわけですが、これでは求める成果につながりません。

試行錯誤しつつ場を鍛える時期が必要

それでは、「いつも平日昼間で場を開いているけど、平日夜に地域に戻ってくる人たちに参加してほしい」という場合に、そのまま素直に平日夜に開催時間帯を動かすと、どうなるでしょうか?

1.平日昼間の常連メンバーが、夜になったため参加人数が減る
2.夜の時間帯のため、いままで参加しなかった人が来てくれる

というような2つの変化が予想出来ますよね。
これが同時に起こったのなら、それは成功です。しかし、「いつものメンバーが減っただけで、新しい人がだれも来ない」というケースもあります。こうなりそうだから、動かせないわけです。なぜこうしたことが起こるのかが理解出来ると、チャレンジしやすくなるかもしれません。

「時間帯」を変えるなら「広報」も変える

時間帯を変えたのに、ターゲットとする人が一人も来てくれない。原因として考えられるのは、次の2つです。

1.ターゲットとする人たちに情報が届いていない
2.情報は届いているが、魅力を感じない(参加したくない)

まず「1」の関門を突破しなければ、話が始まりません。ターゲットに合わせて時間帯を変えたら、ターゲットに訴求する広報物を作成し、ターゲットに届く方法で告知しなければなりません。広報と開催時間帯をセットで考えずに単に時間帯だけ変えると成果につながりにくいのです。違う属性の人々をターゲットにするなら、開催時間帯だけでなく、広報物のデザインや内容、告知方法なども合わせて見直さなくてはなりません。

ターゲットのなる人たちのことをよく想像し、可能なら広報物や告知方法などについても事前にフィードバックをもらえたらいいですね(学生がターゲットなら学生に感想を聞かせてもらいましょう)。

開催時間帯への要望は話半分に聞いておく!?

また、こんな話もよく聞きます。

「平日の夜は出られない! 午前中にして!」
「水曜日は出られない。他の曜日だったらいいのに!」

場を開いていると、こんな要望を聞くことがあります。そこで希望通りの時間帯に移動すると、要望した人が来てくれる…とは限りません。意外に来ないのです。

もちろん、時間帯の変更を喜んで参加してくれる人もいますが、おそらくそういうケースの方が希ではないでしょうか。余程の事情があるなら別ですが、ちょっと行きにくい時間帯だから来ないというような人は、ニーズもその程度なのです。一人の声にも耳を傾ける姿勢は大切ですが、だからといってすぐに時間帯を動かすのは、少し短絡的かもしれません。時間帯を動かす場合は、要望した人に直接の連絡を入れた上で、試験的に一度だけ変えてみてはいかがでしょうか。

集客の悪い原因を開催時間帯に求めてはいけない

だれもが喜ぶ開催時間帯などありません。人の都合やスケジュールはバラバラで、それが一致することなどないからです。大切なのは、集客がうまくいかない理由を開催時間帯に求めないことです。もちろん、天気のせいにするのもダメです。

飲食店に例えると分かりやすいのですが、たとえ大雨でも、立地が悪くても、営業時間が短くても、混んでいる店は混んでいます。また、その逆も然りです。本当にその場に行きたいと望んでいる人は、(事情によって個人差がありますが)自分で足を運びます。

ターゲットの人が来にくい時間帯にわざわざ開催するのは考えものですが、そうでないなら、開催時間帯や天候程度で集客に大きな影響が出るのは、「場」の中身の問題です。

まとめ:参加人数を気にする前に場の質を高めよう

まずは、「場」の質を向上させることに取り組みます。それが基本です。同時に、ターゲットの人が来やすい開催時間帯に出来ているかどうかなども、合わせて考えるといいでしょう。その上で、開催時間帯や会場などに特別大きな問題がなければ、むしろそこに腰を落ち着けて、場を整えていきましょう。

準備を尽くして、当日の場をひらき、後で丁寧にふりかえる。
このサイクルの充実が、場を整え鍛えて、本来の魅力を発揮させます。

場の性質にもよりますが、参加人数にあまり一喜一憂せず、「場」の質にフォーカスします。それは、主催者にしか出来ないことだからです。

(文・長田 英史)