会場設営完了! 手持ち無沙汰… そんなときどうする?
イベント会場やセミナー会場の会場設営をして、準備完了。開場しました。
お客さんはまだまばらなので、多くのスタッフは手持ち無沙汰です。こんなとき、どうするのが正解なのでしょうか?
やることがないとき、どう過ごしている?
あなたがセミナー会場でスタッフをしていたとして、特にやることがないとき、開始時刻までをどう過ごしますか?
会場が開いて、参加者が集まり始めます。受付担当、講師担当、誘導担当…各担当者が持ち場で動いていますが、特に手伝いは必要なさそうです。あなたは手持ち無沙汰になってしまいました。
そんなとき、もしかしてこんなふるまいをしていませんか?
- 主催者や関係者とおしゃべりしている(休憩?)
- 受付の人と話している(背中でお出迎え?)
- 一番後ろの壁のあたりに立っている(すねてるの?)
- とりあえず写真を撮りまくる(趣味ですか?)
- 準備中の講師に名刺交換に行く(邪魔じゃない?)
- 「前へどうぞ~」とひたすら言い続ける(好きな席じゃダメ?)
- ずっとふらふらしている(どうかしたの?)
どれも、よくあるふるまいですが、あまり意味がありません。僕も油断しているとやってしまいます(笑)。プラスかマイナスかで言えば、マイナスです! それではこんなとき、どうしたらいいのでしょう。
「お客をやる」効果
特にやることがないとき、簡単なのは「お客になる」こと。「なんだ、ただのサクラか」と言われるとつらいのですが、意味合いは近いですね。座席に座って、開演まで、わくわくしていてください(笑)。
僕なら最前列か、最前列付近(中央以外)に座ります。(最前列中央はさすがにお客さんに申し訳ないので。)手の空いている主催者がいれば、呼んで隣に座らせます。そして、その日のセミナーのこととかを楽しく話します。
これだけで、場が良くなります。
「サボってると思われるかも…」な~んて気になってしまうかもしれませんが、「お客をやる」というのは、場づくり的に有効です。にぎわいも出来ますし、リラックスした雰囲気づくりも出来ます。人が増え、会場が盛り上がってきたら、そっと立って一般参加者に前列の席を譲ればいいですよね。
お客さんの気持ちを考えた促し
やたらと「前へ座ってください!」と言い続ける人も多いです。前に座っている=積極的に参加している、というような固定観念があるのでしょうか。前が空いていると講師に申し訳ないという思いからでしょうか。「前へどうぞ! 前へ!」と、しつこいと嫌がられます。
お客さんが後ろに座るのには、そもそも前に座りたくないか、座りたいけど気が引けているか、そのどちらかです。
前の席に空白が出来るのが嫌なら、少なめに座席を配置して、人が増えたら後ろに付け足せばいいだけのことです。後ろの座席に「関係者席」という紙を貼っておいて、前が埋まってきたら剥がしてもいいですね。
気が引けている人に対しては、「一番前も空いてますよ」と、席が空いていることを伝え“許可”を出せばOKです。なんとなく遠慮しちゃうことってありますよね。「え? 前いいんですか?」と笑顔で座ってもらえます。こちらも嬉しいです。
場にとっていいのは? という視点
僕が主催者として場にいて、決まった役割がないときには、まず全体のなかの「穴」を探します。人手不足。アクシデント。要対応の場は…?
特になければ「良い場」にするためにフリーで動きます。場を俯瞰して見るのです。ちょうど天井に据えられたカメラからの映像みたいな感じです。そうすると「いるべき場所」がみつかるはずです。
「私が楽な場所はどこかな?」ということを考えるのは、参加者のレベルです。
主催者なら「私がどこにいれば、全体にとっていいのかな?」と考えましょう。
これが出来ないと、ふらふらしたり、やたらと写真を撮ったり、内輪受けのおしゃべりをしたり、席の近くに突っ立っていたりというような、場にとってマイナスに働く動きをしてしまうのです。主催者力が露呈する瞬間です。
別に堅苦しく考えなくていいんです。もし「あっちに行ってみようかな!」と思ったら、直感を信じて、実際にそこへ行ってみてください。そのことで、どんな変化が場に表れたのか、感じ取ってください。
こういうのは理屈じゃないので、「唯一の正解」を探しても見つかりません。主催者が楽しむことと、お客さんが楽しむことが相反するのは、主催者としてどこか混乱や準備不足があるのです。主催者がお客さんになってしまうのも、違います。主催者が主催者として思い切り楽しむ場は、お客さんにとっても楽しい場になり得ます。
手持ち無沙汰のときに限りませんが、場にいるとき、ぼんやりしていたりエネルギー不足だったりすると、「私にとって楽なのはどこかな?」となりがりです。そこを「場にとっていいのはどこかな?」となると、あなたも場も一段上に行けます。楽しんで、いろいろ試してみてくださいね。
(文・長田 英史)