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物件や場所から始まる場づくりで大丈夫?

物件や場所から始まる場づくりで大丈夫?

空き家・空き店舗・古民家活用を始める前に…

・空き家活用
・空き店舗活用
・古民家活用

人口減少等の影響で、「物件」から始まる場づくりが増えています。
とても楽しいのですが、大事なことがあります。

場所の魅力に惑わされてはいけない、ということです。

豪華で設備が良くても居心地は悪いことがある

想像してみてください。

すごく豪華で、また設備の行き届いた施設でも、そこにいる人が嫌な人ばかりだったとしたら…?

もちろん、そんな場は嫌ですよね(笑)。
そんな場に魅力を感じる人はいません。

施設の魅力など、その程度の話なのです。
場の本質は、建物ではなく人のつながり方だからです。

「場」= 人のつながりが生み出す雰囲気・可能性
「場所」= 建物、施設

もちろん、魅力ある「場所」があるのはラッキーです。

でもたとえ簡素な建物でも、豊かなつながりがあれば、魅力に溢れた「場」をつくることが出来ます。

容姿が良いだけの人といつまで仲良く出来る?

僕自身、魅力ある物件で場づくりをしてきました。

ウッディな店舗物件、森のなかの大きな秘密基地、本当に色々なところを拠点に活動してきました。

そこが記事になったり、SNSでシェアされたりすると、「すごく素敵な場所ですね!」「行ってみたいです!」と大好評。

いわゆる「映え」ですね。
自慢も出来ますね…。

でも、それだけ。
そんなのつまらないです。

場ではなく人間の話だと思って考えてみてください。
容姿がいいだけの人と、いつまで仲良く出来ますか?

物件の魅力はオープン初日がピーク

見た目の魅力に一番強く影響されるのは、新鮮さがある最初の時期でしょう。だんだん慣れて、普通になります。

つまり、建物の魅力に寄りかかった場の魅力は、オープン時にピークが来てしまいます。

後はもう落ちるだけ…では残念すぎます。

そんなことにならないようにするためには、次のことが不可欠です。

・その場の目的、生み出す価値をクリアにする
・その場で自分が感じた実感を大切にする
・つくり手どうしでよく話し合う

「場所」の豊かさはお金をかければ手に入ります。
そして、多くの場合、時間と共に劣化が進みます。

「場」の豊かさは、お金では買えません。
また、時間と共に価値を高めていくことが出来ます。
いままで不可能だったことが、可能になるのです。

それって、すごいことだと思いませんか?

場所に魅力があると雑多な人が集まりやすい

あなたにはその場所で生み出したい「価値」があり、「目的」がありますよね?

でも場所が魅力的だと、そこを自分の目的のために利用したい人たちも集まってきます。
こういう人たちは、表向きは趣旨に賛同しつつ、本音は別にあるのです。

そんなとき必要なのは、しっかりとした軸です。

つまり、あなたがそこで何をやりたいのか?
また、何を拒否し、何を一番大切にしたいのか?

そこをしっかり感じ分け、考え、決めてください。

まとめ:場所よりも場が大事!軸を明確に!

物件の魅力に惑わされ、趣旨を適当に後付けしたり、本当は軸があるのに曖昧な表現に終始していると、雑多な人が出入りして、どこか殺伐としてきます。

空き家活用、空き店舗活用、古民家活用…。

本当に「活用する」ならいいのですが、軸が曖昧だと、逆にそうした流れにこちらが利用されてしまいます。

場所は必要ですが、大切なのは「場」の方です。

あなたには「こんな場所で、こんな場をつくりたい!」というイメージがあるはずです。場所の魅力に惑わされず、そこで生み出される本当の価値を見つめてください。あなたが本当に大切だと思っていることを、まっすぐに大切にして、場をつくってください。

(文・長田 英史)