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子どもの居場所をつくるには?

大人の成長が、子どもの成長につながる

子どもの居場所をつくりたいと思ったとき、何を大切にその「場」をつくったらいいでしょうか。「何よりも子どもたちのことを第一に考えて」…となりがちなのですが、長年の実践経験から言えることは、その前にやるべきことがあるということです。

子どもではなく、大人が成長すること

例えば、「子どもたちのためのキャンプ」を開催したい場合、一番いいのは、それをやりたい大人だけで、キャンプに行くことです。逆に言うと、大人だけでキャンプに行った経験がないのに、いきなり子どもたちを集めて連れて行ったりしないでほしいのです。

大人だけでキャンプに行くと、もちろん大変なこともあるかもしれませんが、きっと楽しいこともたくさんあるでしょう。その体験を、参加した大人たち全員でふりかえり、「子どもたちと共有したい」と思えることを、最初のキャンプのプログラムに組み込んでください。

簡単でしょう? でも、これが一番安全なんです。

子どもたちに「キャンプに行こう!」と声をかける大人側に、「子どもたちとこれを共有したい」と思えるような「本質」があるかどうか。大切なのはそこです。教育的配慮とか、そういうことは、もっとずっと後でいいのです。

活動の始めの一歩が頭でっかちの“教育的配慮“だと、何度場を重ねても同じような結果になりがちです。一方、「子どもたちと共有したい」という思いからはじまった場は、回を重ねるごとに、成長していける可能性があります。

子どもではなく、大人が成長することが大切です。大人が成長する場なら、余計なことさえしなければ、子どもは勝手に成長していきます。大人が阻害要因になる場合も多いのです。

自分は普段の時間をどう過ごしているか?

「なんだか子どもたちがギスギスしているな…」
「あの子たち、ちょっとなんか様子が変だな…」

子どもたちの現場にいて、そんな風に感じることがあります。指導者はまず、子どもの異変として「それ」に気づきます。そして、そのことをみんなで振り返って話していると、自分たちのなかにも、「それ」を発見します。

“指導者どうして、言いたいことを言い合えていない”
“本人に直接言えず、陰口になってしまっている”
“本当は改善すべき問題を自覚しているのに、無視している”

…などなど。

「それ」の正体は様々です。「場」を通して、子どもと指導者はつながっている。活動のなかで、僕はこのことを繰り返し経験してきました。

子どもといっしょのときだけではなく、子どもたちとかかわっていない普段の時間を、どう過ごしているのか?それが、指導者間の関係性、さらには場に反映され、そこでの子どもたちの活動に影響を及ぼします。

子どものためにつくった「場」のなかで、大人は「見えない大きな力」をふるっています。上辺だけ仲良くして、陰で悪口を言っているような、そんな大人たちがつくる場で、子どもたちは安心して活動できるでしょうか?

大人の関係の豊かさが、子どもの関係の豊かさに

子どもを見守るスタッフの関係の豊かさが、その場にいる子どもたちの関係の豊かさにつながる。これは、シンプルな大原則です。

自分たち大人どうしが言いたいことを言い合っていないのに、子どもに「正直に思ったことを言ってごらん」と言う。自分たちが安心していないのに、「ここは子どもたちに安心して過ごしてもらうための居場所です」と言う。

おかしいですよね。これは子どもの活動に限らず、様々な現場での主催者と参加者の関係性に置き換えることが出来ます。準備段階での主催者間の関係の豊かさが、現場の豊かさをつくるのです。

この子どもたちのために、自分にもできることがある。僕はそう考えています。

(文・長田 英史)