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活動は長く続けなくてはならないのか?

どうすれば、活動を長く継続させられますか?

これは、とてもよくある話題です。別に、NPOや地域活動だからといって、必ずしも長く続ける必要はありません。それでも、多くの人たちが「続ける」ということに気を取られています。
中間支援組織などの支援者の人も「活動を続けてほしい」と、結構簡単に言う人が多いです。営利企業だってどんどん倒産する世の中です。非営利組織だけ「続けて当然」だと考える必要はないはずです。
もちろん、続けたいのに続けられない場合は困るのですが、今回は「続ける=良いこと」という考え方について、検証してみたいと思います。

終わりを決めると始めやすくなる

「長く続けなくては」という考え方は、じつは困りものなのです。一番困るのは、活動を始めることを躊躇させてしまう点です。

例えば、あなたがウォーキングをはじめようかなと、検討しているとします。でも、「一度始めたら、絶対に10年は続けなくてはならない」と言われたらどうでしょう? おいそれと始められませんよね(笑)。

1997年、れんげ舎は「子どもの居場所」をつくりました。小中学生が対象だった当時の活動で、大勢の中学生が卒業する年でした。卒業する彼らは、卒業後もこの活動との接点を求めていて、不安そうでした。そこで、卒業する彼らの受け皿をつくりたいと思ったのです。

月・水・金の朝10時から夜8時まで、事務所を週3日開放し、小・中・高校生〜の子どもたちの「居場所」にしました。中学を卒業する10名ちょっとの子どもたちには、僕はこう言いました。

「3年間は続けるから。最低3年はあると思っていいよ」

高校を卒業するまでは、その「場」が確保されると、約束しました。居場所は心とつながっています。彼らに安心してほしかったのです。結局平日の居場所は10年近く続いたのですが、ここにひとつのヒントがあります。

「3年間」という期間です。「3年は続ける」という約束を、まず自分自身と、そして子どもたちと、さらには、れんげ舎の他のメンバーと、それぞれしました。覚悟が求められる一方、「3年やればいい」という気楽さもありました。

活動が終わるとき

活動の継続について考えるなら、終焉についても考えるべきでしょう。

特定の課題に対して活動している場合、その課題が解決されると、その活動は役割を終えます。また、課題は解決されていなくても、行政など新しい担い手が現れて、団体としての役割を終える場合もあります。

私たちの団体では、15年間続けたカフェを閉めた経験があります。おかげさまで多くのお客様に恵まれ、看板商品の「瓶詰めプリン」はメディアで取り上げられたり、有名デパートで販売されたり、いろいろ貴重な経験をさせてもらいました。余談ですが、「商売」の感覚を身につけられたことも、われわれの強みになっています。

それならなぜ閉店したのかというと、出店の際の目的である「地域での認知を獲得すること」や「活動黎明期における事業収益をあげること」を達成したからです。続けることは出来るのですが、われわれとしての「その先」はないと感じ、愛着はありましたが閉店を決断しました。

世代交代はマストではない

一方で、こんな例もあります。

2~3年中心で活動した人が、「後継者を育てる」とか「代表を交代する」とか、すぐに言い出すのです。大学生のサークルなら仕方がないかもしれませんが、こういう例をみると、

「もっと続けて、がんばってみたら?」

と言いたくなります。2年や3年で急にベテラン風を吹かせないで、もう少し第一線に留まって冒険を楽しんでみたら? と思うのです。

長く続けられるなら、無理に交代しなくてもいいんですよ。「交代することが望ましい」と考えている人が多いですが、根拠が曖昧な場合があるようです。組織の継続性という観点からだと、この人でないと出来ない役割を減らして、役割を交代出来るようにすることが望ましいとされます。その人がいなくなると、活動が回らなくなってしまいますからね。こういうことを考えての「自分の後継者探し」ならば構いません。

でも、「代表になった! 次は交代しなきゃ!」と、すぐに考えなくてもいいのです。自分の担う役割を「もっと続けたい」という気持ちがある人でも、「交代しましょう」と言うことがあります。それぞれが担いたい役割が何なのか、役割を担うことでどのような問題や葛藤があるのか、率直に話し合う場を持つといいでしょう。

もっと自由に活動しよう

自主的な活動は、もっと自由でいいと思います。ずっと長く続けてもいいし、一定の期間やって、気が済んだらやめてもいいのです。

れんげ舎は設立から22年、前身の活動を合わせると四半世紀を越える歴史があります。けっこう長く続けて来ました。それだけの実績を積み上げた上で言うのですが、続いたから偉いというわけではないですね。これは本当です。
もちろん、歴史をそのまま「実績」としてアピールすれば、新しい団体には負けません。でも、いくら長い歴史があっても、目の前の活動の場が輝いていなければ虚しいだけです。いつだって、目の前の場で勝負していきたいと思います。

活動をはじめようか、どうしようか、迷っている方。事前に期間を決めて始める、というのはいかがですか? これはとてもいい方法です。例えば「3年間はやる」と決めて始めるのです。そして2年半たったら、残りの6ヶ月でその先を続けるかどうか話し合い、決めるのです。

継続するために必要なこと

今回のテーマではありませんが、継続するために必要なことについても、少しだけ触れましょう。それは、まず何よりも、自分自身が「やりたい」と思える活動であるかどうかということです。組織の継続性について客観的に何が必要とされるのかというテクニカルな話は、もちろん色々あります。守るべきもの、固執せず変化させるべきもの、それぞれあります。『場づくりの教科書』も、きっと役に立つと思います。

変わらないものなんてないと思うんです。活動というのは、変化を起こすことですから。
例えば、「理念=ずっと守っていく揺るぎのないもの」だと考えられがちですが、理念も更新されてしかるべきです。歩みを進めれば、見える景色も変わりますし、経験も蓄積されます。新しく得た視野と、新しく得た知恵で、理念を更新していくのが自然でしょう。

まずはあなた自信がそれを「やりたい」と感じられるのかどうか、「やろう」と意思を持てるのかどうかを大切にしてください。自分不在で、継続について考えないでください。
自分の思いと活動の場のつながりが切れているのに、そこに無理に残っても、人も場も元気になれません。活動の豊かさは、その活動をつくる人たちの内面と、関係性の豊かさです。

(文・長田 英史)