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かけがえのない仲間を失ってしまったら

あの人がいなくなったら無理… そう思えても大丈夫です

もし、かけがえのない仲間が去ってしまったら、どうすればいいのでしょう? かけがえがないということは、失ってしまうともう代わりがないということ。僕自身も何度か大切な仲間を失った経験があります。そんなときどうすればいいのか、お伝えします。

「最高のチームだ!」と思った日から…

仲間と共に場づくりを進めていくと、チームが成熟してきます。お互いに相手のことがよく分かり、得意分野も分かる。Aさんがアイデアを出して、Bさんが膨らませて、Cさんがデザイン面で支援して、当日の進行はDさんがする。

「自分たちは、最高のチームだ!」

こんな風に思える日がやってきます。これは輝く達成なのですが、その日から、チームの崩壊が始まります。

また別の頂に向かって

「最高のチームだ!」
「このメンバーなら何でもやれそう!」

こんな風に思えるのは、幸運なことですよね。でも、そう思えてしまったということは、そこが頂上。つぼみだった花が、開ききったということなのです。だから僕は、ありがとうと言って、心のなかで手を振ります。

実際に、そのチームが解散するわけではありません。それはそれで続いていく部分はあると思います。でも、目の前に展開されたすばらしい場とは、お別れです。

また、別の頂に向かって、また別の花を咲かせるために、新しく歩み始めることになります。

かけがえのない仲間が去って行ったとしたら?

仲間といっても、いろいろな人がいるでしょう。その中で、自分を一番よく理解してくれる人。この人がいるからやれるんだ、と思えるような人。そういう人こそ、去って行くような気がします。

もちろんそうとは限りませんが、そういう状況を想像してみるといいでしょう。うまくいっているときこそ、想像してみるのです。この人たちがいなくなったら、自分はどうする?と。

僕も30年近く活動していますので、何度か大切な仲間を失う経験をしました。

かけがえのない仲間が去って空いた穴というのは、別の人を補充することでは埋まらないものです。組織というのは有機的なものなので、道路工事みたいに、空いた穴を元通りに復元することは出来なません。

それでは、そんなときどうすればいいのでしょうか?

初心にかえることで、やるべきことが見える

いつでもそうですが、大変だなと感じたら、思い出すのは「初心」です。

そもそもなぜ、その場をつくっているのか。
場をひらくことを通して、何を求めているのか。

大変なときは、そういう基本中の基本に立ち返ります。そうすれば、やるべきこと、いまやれることが見えてきます。

場は生きものですから、場づくりをすれば変容していきます。穴など埋まらなくても、前に進むことが出来ます。(空いた穴が埋まらなくても、やがて気にならなくなります。)

「この人がいないと無理だ」という気持ちになるとき。その気持ちの背景にはどんな思いがあるのでしょうか? 自信のなさでしょうか。執着でしょうか。悪い想像でしょうか。もっと別の何かでしょうか。

ネガティブな思いに囚われて、場をつくることをやめないでください。経験したことのない、想像を越えた領域が必ずあります。

本当にかけがえがなく、不可欠な要素はあなた自身です。あなたさえいれば、必ずまた場をつくれます。

(文・長田 英史)