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話し合い 回してばかりじゃ決まらない

顔を隠している人

自分の意見をクリアに述べていますか?

会議や話し合いの場で、自分の意見をクリアに述べていますか?「自分はこうしたい」「自分はこれが一番いいと思う」というような、お互いが「やりたいこと」を述べ合うのが、話し合いの基本です。
しかし、様々な話し合いの手法が中途半端に広まったためか、「進行役」という立場に逃げ込んで「自分の意見」を言わない人も多いようです。話し合いを進めているはずが、その人自身が混乱要因になってしまうのです。

回してばかりじゃ決まらない

何かのプランを考えているときに、

「私はA案がいいと思う!理由は◯◯だから!」

みたいに、だれかがクリアに意見を言うと、

「私もそう思うよ!」
「私は違うな。理由の◯◯をつきつめればB案じゃないかな?」
「A案がいいと思う理由をもっと聞かせて」

など、クリアなリアクションが戻ってきます。これが話し合いの基本です。しかし、

「A案もあるし、B案もあると思うんだよね」

みたいなことをだれかが言ったとします。
「2案いずれも魅力があって迷っている」ならいいのですが、単に可能性だけを示す場合、ここから場が混乱します。可能性を列挙するのなら、時間をかければC案やD案、もしかしたらX案やY案くらいまで出てくるかもしれません。これではいつまでたっても決まりません。

「こんな案もあるし、あんな案もある」みたいに、可能性だけを示す発言は、場を混乱させる要因になるということです。こういう言い方をするのは、ファシリテートしようとか、場を回そうとか、話し合いを良いものにしようとか、そういう気持ちの人たちです。つまり、意図に反して自分が混乱要因になってしまうのです。

やりたいことではなく可能性だけを示すと混乱する

簡単な例を挙げてみましょう。
何人かで食事に行こうとしていたとして、

「イタリアンはどう?」

と言えば、それに対して、

「◯◯にあるイタリアンが評判がいいから行ってみたい!」
「昨日もイタリアンだったから洋食屋にしない?」
「安い店なら何でもいいよ!」

などなど、様々なリアクションが戻ってきます。
こういうときに、

「イタリアンもあるし、和食もあるね。近くにはエスニックと、蕎麦屋と、洋食屋がある。それから中華料理の店が4軒あるね!」

なんて言われると、ちょっとめんどくさくないですか? お前はGoogleか? 食べログか? とツッコミたくなります。近隣の飲食店のリストを作成しているのではなく、「あなたは何が食べたいの?」ということが重要なのですから。こういう話し合いは、発言は多いのです。でも、深まりませんし、前にも進みません。同じところに留まって、時間だけが過ぎていきます。こういうパターンに陥ると、

「中華屋さんが4軒もあるの? どんなお店なんですか?」

みたいなことを聞く人が出てきます。それで、全員でじっくりと4軒の中華料理店の違いを把握したけど、よく聞いてみたらだれも中華料理を食べたい気分ではなかった、というようなことが起こるのです。これでは前に進めません。

無意識に「自分の意見」を述べることを避けているのかも

なぜこんなことが起こるのでしょうか?

もしかすると、「自分の意見を述べる」ことや「決める」ことを無意識に避けているのかもしれません。進行役的なふるいまいが、常に求められているわけではありません。もしかしたら余計なことかもしれないのです。万能な手法はありませんから、いつでも自分自身で感じ取り、考え、判断しなくてはならないのです。

多くの話し合いの手法は「一歩下がって見る」ことから始まります。場を俯瞰する。これはとても重要なことなのですが、あなた自身もプレイヤーならば、まずプレイヤーとして場にコミットし、その上で同時に場を俯瞰するからこそ意味があるのです。俯瞰しているだけだと、ただの「引いている人」になってしまいます。

支援する、応援する、促進する──いずれも大変な役割であると同時に、人によっては分かりやすくて楽な部分があるのです。だから、プレイヤーでいることがしんどくなると、こうした役割につい逃げ込んでしまうことがあります。そんなときは、自分もプレイヤーであることを思い出してください。

まとめ:自分のやりたくない案は出さないでいい

まずは自分の意見を述べて、相手の意見を聞くこと。それをお互いにやるのが話し合いです。

つい回してばかりになってしまう人は、「みんなが意見を言えるようにしたい」とか「話し合いを盛り上げたい」とか、様々な願いがあり、配慮をしていると思います。だからこそ、「自分自身がプレイヤーであること」を止めないでください。

他の人が話さないから仕方なく進行役に徹している、という人もいるでしょう。だからこそ場を俯瞰し、引っ張っている。孤独にがんばっている。もしそうならば、いまよりもう一歩踏み込んで、自分の本当の願いは何なのか? 自分がやっていることは何なのか? を見つめる必要があるかもしれません。

立ち返るべき基本は、

1.あなたが一番良いと思う意見を述べること
2.その理由をきちんと述べること

です。

よく自分が魅力を感じない案を混ぜて2案や3案を出す人がいますが、自分が魅力を感じない案は出さなくていいのです。個人的な利益のために全員が知るべき可能性を握りつぶすなら背信ですが、自分がやりたくない案をいちいち可能性として示すと、話し合いの場は混乱し、決めるまでの時間も長くなり、エネルギーも下がります。悪気がなくても、結果はそうなのです。

自分が本当にやりたいことを、オープンマインドで、クリアに伝えます。もしかすると、人によっては意外に勇気のいることかもしれません。そうしたクリアな発言は、別のクリアな発言を誘発し、話し合いの場を支えます。

(文・長田 英史)