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週1? 月1? 開催ペースを決めるには?

開催ペースは参加者目線で決めよう

参加者、受益者がいる場づくりをする際、開催ペース・開催頻度はどれくらいが妥当でしょうか?定期・不定期の違いや、毎日・週1回・月1回といった開催頻度によって、どんな違いがあるのか、参加者にとってはどう受け取れるのか、考えてみましょう。

不定期開催と定期開催

場づくりをするときに、どれくらいの開催ペース(開催頻度)が妥当なのでしょうか。職場や家庭など既にある日常の場に対するものは別ですが、対象者のいる何らかの集まりをつくる場合、適した開催ペースというのがあるはずです。

開催ペースを考える前に、このような違いもあります。

・不定期開催や単発の場
・定期開催(定例)の場

定例の場には大きな力がある

定例の場は、参加者側から見ると、「場を日常生活のなかに位置づけることができる」というメリットがあります。

例えば、毎週金曜の夜に場がある。必ず開かれている。忙しくて行けない日もあるが、行けばそこにある。こうなると、自分と場のつながりを保ちやすくなります。つまり、その場を自分の日常生活のなかに位置づけることが出来るのです。定例の場と一度きちんとしたつながりが出来ると、開催日以外でも、ある程度つながりを保てるようになります。

不定期の場は、次いつ開かれるのか分からず、参加者側からみると、ちょっと頼りないものです。その場をとても気に入って、帰りがけに次回について尋ねると、

「次回? う~ん、たぶん来月くらいにはやると思うんですけど…」

これでは、その場を生活の一部と感じるのには、無理があります。

参加者の立場からイメージしよう

さて、悩ましいのは開催ペースです。

・毎日
・週1回
・月1回

経験則なのですが、日常のなかに位置づけてもらえる開催ペースは、月1回がぎりぎりのラインだと思います。

もちろん、場の性質や目指すところによって異なります。でも、2ヶ月に1回とか、半年に1回とかのローペースでは、難しいと思います。また、「子どもにとっての1ヶ月に1回」と「大人にとっての1ヶ月に1回」では、感じ方が異なります。大人が子どものために場をつくるなら、そのあたりも考慮に入れるべきでしょう。子ども食堂などの取り組みがさかんですが、この視点は非常に重要です。
参加者が子どもでなくても、参加者の立場からその開催ペースがどのように感じられるのか、考慮する必要があります。この視点がないと、参加者のための場づくりのようで、主催者の一人よがりになりかねません。

主催者側に立つと、忙しさ、場所を確保する難しさ、個人的な都合などから、開催ペースを決めてしまいがちです。最初はそれでもいいのですが、参加者の目になって、参加者の生活の全体像との関係で、自分のつくる場を俯瞰する視点を持ってください。

日常生活との関係で考える

冒頭で「職場や家庭などの場づくりは、日常の場に対するものは別」と書きましたが、じつはそうとも言い切れない場合があります。

日常的な活動の場そのものの改善案を検討するような機会、例えば、「活動の場の改善プロジェクト」みたいなケースです。
日常の場を変えるなんて、簡単じゃありませんよね。そんなプロジェクトチームの集まりを持つなら、不定期よりも定期開催の方ががんばれそうじゃありませんか? 定期的な場を持つことは、ちょっとした覚悟のようなものが必要ですが、そのリズムを守ることが、場を通して実現したい大切なことを守ることにつながります。

開催ペースを、日常生活との関係で考える。忙しい現代人が自分を見失わないための知恵だと言えるでしょう。

(文・長田 英史)