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モノを「まっすぐに置く」だけで場が変わる

簡単だけどやってみると違う

会議室のテーブルを並べる。敷物を敷く。
何気ない動作ですが、集中してやるかどうかで、場が変わります。今回は、ちょっとおもしろい、「物の置き方」のお話です。

まっすぐ並べてる?

会議のときにロの字にテーブルを並べるとします。
そんなとき、きちっとまっすぐ並べていますか?

僕は、机や椅子は、集中してきちっと並べます。
敷物は、正面に対して斜めになったり、しわが寄ったり、めくれたりしないように注意します。

この話、几帳面さの話とは、ちょっとだけ趣が違います。

机が乱れた場はエネルギーも乱れている

机がぐちゃっと乱れている会場では、エネルギーも乱れています。

机を並べる人が、「まぁこれでいいや」とそれらを粗末に扱うと、その「粗末に扱った」というエネルギーがそこに残る、そんな風にイメージしてみてください。そして残留したエネルギーが、そこを訪れた人に影響を与えます。「感じがいい場所」や「感じの悪い場所」は、基本的にこのように出来ているのです。

もしそういうところで、会議をしたら…?

会議が大混乱!
そうか、乱れた机が悪いんだ!

まぁそういうことなのですが、「机次第だ!」ということではないんです。会議なら「会議のやり方」(拙著『場づくりの教科書』に詳しく書きました)を始め、会議に必要な場づくりがありますよね。そっちが基本です。その基本に立った上で、いろいろなことが少しずつ悪い影響を受けるのです。

意味が伝わるでしょうか?
余裕がある状態での、余裕がある議題なら、特に気にならないかもしれません。でも、切羽詰まった、困難な話し合いだったら…? そこでくじけてしまうか、くじけずふんばれるか。そういうところで差が出るのです。

こう考えると、丁寧に机を並べるに越したことはありませんよね。

きれいに並べればそれでいいのか?

それでは、机がきれいに並べられれば、それで「場をつくれた」ということになるのでしょうか?

答えはイエスでもあり、ノーでもあります。

大切なのは、気持ちを込めること。

机を新しく買い換えろとか、そういうことではありません。古い机でいいので、きれいに並べて、さっとふきましょう。

机だけでなく、椅子もきれいに並べましょう。

会議机なら、机1つに椅子は2つ? 3つ?
荷物や上着はどこに置いてもらいますか?

いろいろイメージして、レイアウトを変えてみましょう。もし斜めに配置して散らすなら、あなたがイメージした斜めのラインに対して、まっすぐに並べましょう。

「気持ちを込める」という言葉から、どこか感情的な印象を受けるかもしれませんが、配慮を積み重ねて注意力や集中力を正しく発揮することを意味しています。しっくりきたと感じたら、それがその日の正解です。ひっかかるなら、改善の余地があるはずです。

モノ単体ではなくモノを布置した人のエネルギー

たまたま入った喫茶店に観葉植物が置いてある。花が生けてある。

「あぁ、きれいだな」と思う。

それは、その植物や花の力でしょうか?

もうお分かりですよね。答えはイエスでもノーでもあります。

その植物や花を丁寧に扱って、笑顔で生けた、その人のエネルギー。そのエネルギーと、その植物や花本来のエネルギー。そのふたつが、「あぁ、きれいだな」「気持ちがいいな」という、「共鳴」を呼び起こします。
大きな観葉植物でも、愛情を与えられず放置されていると、元気がありませんよね。置けばいいというものではありません。

また、こんな身近な例もあります。

玄関などで、美しく揃えられた一対のスリッパは、まるで「どうぞお入りください♪」と言っているみたいです。きっと、丁寧に揃えて置かれたのでしょう。
でも、両手が塞がっているときなんかに、スリッパをちょちょいと足先で揃えることがありますよね? え、ない? 僕はあります(笑)。

よかったら、こんな実験をしてみてください。

・気持ちを込めて揃えたスリッパ
・足先でちょいと揃えたスリッパ

それぞれ、どんな感じがするでしょうか?
もしかしたら、なにが違いを感じ取れるかもしれません。

手法で場はつくれない

いろいろなワークショップメソッドがあります。
様々なメソッドが輸入され、売られています。

でも、「手法」だけで場はつくれません。

大切なのは、準備するときに気持ちを込めること。
場づくりは、いつもその場をつくる人の内面とつながっています。手法ではなく、もっともっと、あなた自身を、あなた自身のフィーリングを活用してください。

机をささっと並べてみて、「ちょっと、いまいちかな…」と感じたら、その感覚を大切にして、まだ時間があるなら、並べ直してみましょう。それが「場を整える」ということであり、「場」にポジティブなエネルギーを充てんする方法です。

肩に力が入らずにできるレベルでOKです。あんまりがんばると、今度は「余計な緊張」が伝わってしまいますからね(笑)。さっきのスリッパの例もそうですが、肩肘張らずに、
ちょっとした実験のつもりで、楽しんでやってください。

きっと「楽しい」エネルギーのある場ができますよ。

(文:長田 英史)