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初心者でも大丈夫! イベント司会のやり方3つのコツ

プロの真似はしないで!アマチュアだからこそ良い場がつくれる

あなたはイベントなどで司会するのは得意な方ですか? それとも苦手ですか?

司会には、2種類あります。それは、

・プロの司会者
・アマチュアの司会者

です。

アマチュアは、なかなかプロの真似は出来ませんし、プロの真似をしていると悪い意味でのアマチュア感が出てしまいます。
これはまぁ当然ですよね。面白いのは、逆も然りということです。プロの方が、アマチュアの良さを出すのも難しいのです。アマチュアの司会者は、雇われたプロ司会者の持ち合わせていない「当事者性」が武器になります。

プロ司会者の凄さが仇になるケース

規模の大きな(お金のかかった)イベントでは、大抵プロの司会者の方がいらしています。局アナの方やフリーアナウンサーの方など、プロとしてのトーク・立ち居ふるまいの身についた方々です。見た目からして違いますし、こういう方々の技術と安定感はすごいです。

でも、上手過ぎてかえって会場が白けてしまうことってありませんか? 面白みに欠けたり、まわりくどく感じたりした経験はありませんか?

そのイベントが、FNS歌謡祭とか芸能人の結婚披露宴とかいう類の華やかな場なら、プロ司会者でないと務まりません。変に司会が得意な素人を使うと、大惨事になりかねません。一方、地域イベントなどの場合だと、プロ司会者が浮いてしまうことがあります。

アマチュア司会者の優位性は当事者性

技術も立ち居ふるまいも圧倒的に勝っているプロ司会者になくて、アマチュア司会者にあるものとは?

主催者チームのメンバーが司会を務めると、プロ司会者には決して出せない「当事者性」を武器にすることが出来ます。そのイベントの目的と自分のやりたいことが一致しているのが主催者です。その当事者としての思いを、司会に活かすことが出来ます。

さて、司会者のコツは、大きく3つあります。

(コツ1)事前に出来ることは完了させておく

例えば、下記の様な項目です。

・イベント全体の流れと細かな時間配分の確認(計算)
・挨拶する人や登壇者などの、氏名の読みやプロフィールの確認
・開会の挨拶で言うことのリストの作成

これはどんな場でも同じなのですが、万全を期すなら、事前に出来ることは、事前に完了させておくべきです。
人の名前を読み間違える司会者がいますが、それは漢字に詳しいとか詳しくないとかいう問題ではなく、単なる準備不足です。相手に失礼ですし、自分も恥ずかしいですよね。場だって白けます。さらに慌ててしまうと次のミスにつながります。現場での対応力に自信がないなら、事前に出来ることは事前に済ませておき、身軽になっておきましょう。

(コツ2)どんな場にしたいのかイメージを持つこと

文字よりは情景で、静止画よりは動画で、想像します。

要するにイメトレ的なことなのですが、ここでつかんでおいてほしいのは、「お客さんにどんな状態で過ごしてほしいか」ということです。もし、「気楽な気持ちでリラックスしてほしい」なら、司会のあなたがまず、一足先にその状態になってしまいます。「どうぞ気楽に」などと言っている司会がガチガチに緊張していると、緊張が伝染して疲れます。「いつもより改まってマジメに」やりたい場合でも同じです。お客さんになってほしい状態に、一足先に自分がなってしまうのです。

それでは、どうすればお客さんに求めるコンディションに、自分だけ先になってしまえるのでしょうか?

それは「始まる前」に、そういうコンディションを整えること。あなたにうるさく話しかける人がいない場所に行って、集中して、鏡に向かって集中するのもいいでしょう。逆に開始前から周りの人にどんどん話しかけて、楽しい気分を盛り上げて、開会に臨むのもいいですね。

(コツ3)オープンな態度でいること

「オープンな態度」は、場づくりの様々な場面で有効です。それは、司会を務める場面でも同じです。
例えば、司会進行中にメモを紛失したり、アクシデントで流れが変わったりして時間配分が分からなくなってしまったら、どうしますか?

目配せしたり小声でごちゃごちゃやっても、もう手遅れ。会場全体が司会であるあなたを見ています。こういうときに、メモを紛失したことを隠して、何食わぬ顔でやりとげよう…なんてことをすると、挨拶の順番が逆になるなど、大きなミスにつながりかねません。どんどん緊張してきますし、お客さんも異変に気付きます。気付かれた…! と思うと、どんどん慌ててしまいます。

ここを「オープンな態度」で対処するなら、

「みなさま、全体の時間配分を調整しますので、そのまま少しだけお待ちください。Aさん、Bさん、前にお願いします」

こんな風に現状をオープンにして、相談したい人を呼びます。それで堂々と相談して確認し、「お待たせしました!」と再開すれば、それでOKです。

「オープンな態度」は、まだまだ使えますよ。

パネルディスカッションで、ひとりの登壇者の話が複雑で、用語も難解で、意味が分かりません。でも進行しなくては…! こんな絶体絶命のときも、「オープンな態度」なら大丈夫。

「◯◯さんのお話、途中から難しくてついていけませんでした。◯◯さん、私にも分かるようにかみ砕いてくださいませんか?」

こんな風に、そのまま言ってみたらどうでしょう? 変に知ったかぶりするよりずっといいです。きっと会場にも意味が分からない人がいるはずです。あなたの中にだれかを欺こうとか人前でバカにしようとか、そういう黒い意図がないなら、大抵の場で「オープンな態度」は有効です。

ロボットみたいな司会はやめよう

アマチュア司会者の強みは当事者性だと書きましたが、逆に当事者性を放棄したアマチュア司会者は最低です。感情のないロボットみたいに機械的に進めるだけだと、会場のエネルギーが下がります。

進行が下手な上に、「良い場にしたい」という気持ちがないのです。引き受けざるを得ない場合もあるかもしれませんが、そのイベントに対して気持ちが入らないなら、司会など引き受けない方がいいですし、主催者のチームにも入らない方がいいです。

その他(Tipsを少々)

◯言葉遣い編

言葉遣いは知識と場数がないと身につきません。事前にいいフレーズが出て来ないなら、当日も出てきません。例えば、お客さんに「来てくれてありがとうございます」と、伝えたい。でももっと丁寧できれいな表現にしたい。そんなときはネットや本で調べます。そうすれば、例えば、

「みなさま本日はご来場いただきありがとうございます」

など、あなたの求める妥当な表現が見つかるはずです。こういうことも、必要なら事前に調べてメモしておきます。

◯メモの取り扱い編

暗記が無理ならメモを見ます。メモを見ても問題ありません。メモは盗み見るのではなく、オープンに、堂々と見ましょう。切れ端のような紙ではなく、きれいな紙にきちんと書いて、クリップボードなどに挟めば、かえってちゃんと見えます。

◯掲示物編

司会と離れるようですが、スケジュールなどが複雑な場合、掲示物(大きな紙に書く、スライドで投影するなど)を用意します。来場者に対してもスケジュールが書いてあると伝わりやすくなりますし、司会から見えるところに貼れば、常にタイムスケジュールが表示されているので、司会進行が楽になります。

◯アドリブ&ジョーク編

アドリブやジョークは、司会が思っているほど必要とされていません。引き際が難しく、大抵少しやり過ぎてしまいます。中でも内輪受けのジョークは最悪です。司会は場の中心人物ではありませんので、目立つ必要はありません。
会場が静かなために緊張して無理にジョークを言い、受けなくてさらに緊張…というケースをよく見かけます。ジョークに逃げず、集中して進行すればそれでOKです。司会者の話を聞きたくて来ている人はいないはずですから、短く完結に話すことを心がけるといいでしょう。

まとめ:オープンな態度で当事者性を活かそう

アマチュアの司会者は、プロの真似をすることはありません。その場を主催する当事者の一人として、堂々と進行してください。困ったことがあっても隠さずに、確認しながら進めればOKです。来場者の立場に立って考えれば、きちんと準備をして一生懸命進めている司会者に、好感を持つはず。あなたらしい司会が一番です。

(文・長田 英史)