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機材トラブルの経験はありますか?
機材といっても、専門的で特殊な機材から、記念撮影に使うスマホまで、いろいろありますよね。
講座などは、コンピュータとプロジェクタの接続、マイクとスピーカーなども定番の機材です。
「つながらない! 何も映らない!」
こんな経験、ないでしょうか?
カメラのセルフタイマーで手こずったりしてませんか?
機材トラブルは場に与えるダメージが大きい
機材は、普通に使えている分には気になりません。しかし、何かあると、即大きなマイナスになります。
大勢が集合して並んで、シャッターを待っているのに、セルフタイマーに手間取っている人、いますよね(笑)。
「あれ? あれ?」
なんて言いながら、どんどん時間が過ぎていきます。撮られる方もしらけていきます。
これくらいならいいですが、マイクから音が出ない、プロジェクタから絵が出ない等は、深刻な事態です。
機材トラブルは、場に与えるダメージが大きいのです。
定番の機材トラブル
僕はあちこちに講師としてうかがっています。希ですが、コンピュータとプロジェクタとの接続に、
問題が生じる場合があります。
画面が映らない、縦横比や色がおかしい、等々。
僕は自分でコンピュータを持っていくのですが、プロジェクタ接続用に複数の変換器も持参します。そして、それらの使用方法を熟知しています。自分で言っちゃいますが、本当によく出来た講師です(笑)。
それでも、希に「つながらない!」となるのです。担当の方は当然焦りますし、僕だって焦ります。
「故障かもしれません」
そんな言葉が聞こえて来ると、いよいよ深刻です。
でも、大抵の場合、機材ではなく使用法(使う人)の方に問題があります。
機材に罪はない、罪があるとすれば…
機材は有限な存在です。
人間のように、隠れた才能を突然発揮したり、嫌なことがあって拗ねて帰ってしまったりしません…あれ、でもこれはたまにあるかも(笑)。とはいえ、正しい手順に従って正しく操作すれば、しっかり動作してくれます。だからこそ、使い方を事前に習得することが可能です。
でも、機材に強い人と弱い人がいますよね。
(あなたは、どっちのタイプですか?)
機材に弱い人にとって、使い方を習得するのは、とても骨の折れる作業です。気も滅入ります。もしどうしても自分でやるのが難しければ、操作できる人に来てもらうことも出来ますね。
「機材は苦手なんです〜」
なんて、甘えたことを言ってはダメです。主催者なら、事前に対処する責任があります。
当日会場に行ってから操作方法を調べるのではなく、事前に調べておく。どうしても苦手で自信がなければ、しっかり操作出来る人に来てもらっておく。たとえ操作方法は難しくても、対処方法はシンプルです。
こういうことを怠った人が、「別にどうでもいいや!」と当てずっぽうに場をつくっているかというと、僕はそれは違うと思います。むしろ真面目に取り組んでいるのではないでしょうか? ちゃんと準備したはずなのに、アクシデントに襲われた…当人はそう感じています。
それでは何が問題なのでしょうか?
事前に出来ることは、事前にやった方がいい
「あとは、当日現場でやればいいかな」
という考え方、判断が間違っているのです。当日現場ではなく、事前に対処しておくべきだったのです。
場づくりの鉄則のひとつに、こんなのがあります。
「事前に出来ることは、事前にやった方がいい」
これは大原則なので、大切な場を準備するときには、思い出してほしいと思います。
当日の場でしか出来ないことがあるのと同時に、事前にやってしまえることがありますよね。「簡単なことだから、当日でいいや」と考えるのは、もちろん理解出来ます。でも、当日の負荷は、その分だけ増えるのです。
何か不安があったり、万全を期したい檜舞台なら、事前に出来ることはすべて事前に済ませるべきです。
機材というのは、脇役ですよね。だから、ついつい後回しになってしまいがちです。別にプロジェクターの操作をしたくて場を開くわけではありません。それでも、機材が動かないと場はダメージを受けます。使い方が分からないなら、事前に調べておくべきです。
当日使えるエネルギーの総量は一定
事前に出来ることを事前にやった方がいい理由は、トラブルを未然に防ぐというような消極的な守りの理由に留まりません。もっと積極的な攻めの理由があります。
例えば何かのきっかけで予定が変更されたり、良いアイデアが浮かんだりして、直前だが場の流れを変更したい。そんなときに、それが出来るのか、諦めるのか。それは、当日どれだけ余裕があるかにかかっています。
余裕があるというのは、やることに追われていないということ。どんな些細なこと、些末なこと(機材がうまく動かないなど)でも、対処している間は他のことは出来ません。そのことのために、時間や人手、エネルギーを裂かなければなりません。そして、当日使えるエネルギーの総量は一定です。
結果、泣く泣く諦めることになったり、ちょっとしたことが大ごとになったりしてしまうのです。
100%の準備をしてみませんか?
当日の自由さを支えるのは、準備を完了させておくこと。でも、「いつでも、何でも、全部事前にやらなきゃ…」なんて考えると、ちょっと大変そうです。いつもいつも完璧に準備するのは難しいですよね。僕自身は、ケースバイケースで決めています。大切な場、ここはしっかりやりたい! という場合は、自分だけでなく作り手みんながそれぞれ事前に出来ることは全て終わらせます。
たまには100%の準備をしてみませんか?
清々しくて、自由で、軽やかな場がつくれるかもしれません。
(文・長田 英史)