私が場をつくり、場が私をつくる
場づくりはとてもエネルギーを使います。場のつくり手は、自分のエネルギーを場に注ぎ込みます。一方、よく準備して整えられた場からは、エネルギーを「受け取る」ことができます。
このようにつくられながらつくることが大きなエネルギーを生み出して、自分が普段発揮できていなかった力が出せるようになったり、目の前の場で想像を超える展開が生まれるのです。
場の力を受け取るとは
場づくりは、私が場をつくるという側面と、場が私をつくるという側面があります。つくられながら、つくる。つくりながら、つくられる。つまり、自分でつくった場に、自分が助けてもらえる、ということです。
ちゃんと準備され整った場は、エネルギーに充ちています。そうなると、その場のエネルギーを受け取って、楽に活動することが出来るのです。
ふだんは難しいことが楽にできたり、自由に感じたりするのは、場の力(エネルギー)をあなたが受け取っている証拠です。
場づくりは自分自身を大切に扱うことから
場を準備し整えるための方法は、いろいろあります。『場づくりクラス』や『場づくりの教科書』でも、そのためのノウハウをいろいろお伝えしています。
どのようなノウハウや技法を使う場合でも、基本は、自分の気持ちに正直になること。自分の本心を脇に寄せては、豊かな場はつくれません。だれかのために我慢してがんばっているというような場合でも、「他人のため我慢する」という在り方が、場に反映されてしまいます。
場づくりをする人は、他者と同じように、自分自身を大切に扱う必要があるのです。
場の力を受け取れないとき
場には力があっても、それを受け取れない人がいます。
いつも不満や文句を言っている人。
悪口、陰口、噂話に興じている人。
こういう在り方では、場のエネルギーを受け取れません。
自分のことで手一杯の人。
視野が狭くなっている人。
こういう状態でも、やはり受け取りにくいのです。
場に対して(つまり場を共有する人々に対して)、自分から心を開かないと、エネルギーが流れません。僕も、忙し過ぎたりすると、たまにこうなります……。ネガティブな状態に陥ることはだれにでもあるはずですから、陥っても、いち早くそれに気づくことが大切です。
場と自分の関係をチェックする
「がんばらねば!」と焦ることで視野が狭くなり、具体的に助けようとしてくれている人がいても、気づかない。やれる人がいるのに、信じ切れなくて、自分がやらねばと思ってしまう。がんばり過ぎたり、背負いこみ過ぎてしまうと、こんなことがあります。リーダーシップのある人、バイタリティのある人、器用に一人でいろいろやれる人ほど、要注意です。
場にエネルギーを注いでも注いでも、返ってこない。
もしそんな風に感じたら、いつの間にか視野が狭くなっていないか、自分の内側に閉じ籠もっていないか、セルフチェックが必要です。
場にエネルギーがなくなってしまっているのか、それとも、エネルギーはあるのに自分が受け取れていないのか。こんな風に俯瞰して眺めるだけでも、感じが変わりますし、変化が必要なときには、そのきっかけを発見しやすくなります。
場をつくる人は、「場をつくる(与える)」だけでなく、「場から力をもらう(受け取る)」ことも忘れずにいてください。
(文・長田 英史)