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参加のハードルは低い方がいい?

あなただったらどっちを選ぶ?

・単発の気軽な学びの場
・全10回の濃密な学びの場

あなたが参加者の立場なら、どちらを選びますか?
また、主催者の立場だったらどうでしょうか?

ハードルが高いのはダメなのか?

気軽に参加出来るという点では前者(単発)ですし、集中してしっかりと学びたいなら後者(全10回)でしょうか。

「全10回? それはハードルが高いよ!」

こんな風に思う人もいるでしょう。
(もちろん仮定の問いですから、明確な解はありません。)

・気軽に参加出来てハードルが低い「単発の場」
・成果は上がるがハードルが高い「連続の場」

気軽な場を良しとしてハードルの高い場に抵抗感を示す人が多いようですが、いずれにしてもしっかりとした選択の根拠を持ちたいものです。

ハードルの高さが問題になるとき

「ハードルの高さ」が問題になるのは、内容と対象にミスマッチがある場合です。

例えば、はじめて将棋に触れる人を対象にして、2泊3日の将棋合宿を開くとしたら…?
ミスマッチになる可能性が高いですよね。「初心者」と「合宿」が合わないわけです。

「合宿」に合う対象は、次のような人たちです。

・一定以上の将棋のレベルの人たち
・さらに強くなりたいという意欲が強い人たち

逆に、レベルも意欲も高い人たちに対して、「将棋に触れる単発セミナー」では物足りません。

つまり、「ハードルが高い=悪いこと」ではないことが分かります。ハードルが低すぎることも、問題になり得ます。今回は開催回数を例にしていますが、参加費の設定も同じような構造です。

ついハードルを下げてしまう人へ

「ハードルが低いことは良いことだ」と考えている人が、けっこういると思うんです。明確な根拠がないまま、ついついハードルの低い場をつくってしまいます。

でも、本当にそうした場だけでいいのでしょうか?
「きっかけ」や「入門」ばかりで本当に満足ですか?

求める成果があるなら、相応の挑戦が必要です。

熱心な参加者を求めても「求める人が集まらない」と嘆く人がいます。気持ちは分かりますが、ミスマッチは主催者の責任なのです。場の内容と、広報などの呼びかけ内容・手段に対して、相応の人たちが集まって来ているからです。

ちゃんと、自信を持って準備し、内容が伝わる広報をしていますか?
もしかして、変に謙ったり、手加減したりしていませんか?

こうした主催者側のブレが、ミスマッチの参加者を呼び込んだり、ハードルが高い場から人々を遠ざけたりしています。

ハードルの高い/低いは問題ではない

ハードルの高い/低いは、問題ではありません。対象者と内容をマッチさせるための調整が必要なだけで、そこから考えるようなことでもありません。もしそうしたことが過剰に気になる場合、もっと手前で考えるべきことにフォーカス出来ていない可能性があります。

・自分たちが求めている場はどんな場か?
・その場を通して出会いたい人たちはどんな人たちか?
・自分たちが自信を持ってやれる範囲はどこまでか?
・自信がない場合、その根拠は何か?(本当に自信を持てないような理由があるのか?)
・挑戦しなければ予測できない結果を事前に知ろうとしていないか?

場は設定してみなければ、どれだけその場を求める人がいるのかは分かりません。また、一度だけのトライではそうしたことは見えてきません。ちょっと気長に、そして楽しんで、場をつくりましょう。

れんげ舎では、半年間・全15回の自主イベントの実践と合宿付きの「場づくりクラス」を開いています。そこそこハードルは高いですが、こうした場の豊かさは他では得難いものです。ある参加者の方が参加の動機をこんな風に言っていました。

「もちろん内容にはすごく興味があります。それもあるんですけど、このクラスはハードル高いですよね(笑)。このハードルを越えてきた人たちと、出会いたかったんです。」

(文・長田 英史)