心の中にあるだけでは社会的にはゼロ
自分の内側に思いがあっても、周囲に話さず、形にもしなければ、それは社会的には存在していないも同じです。そのままでは、あなたはその「思い」は発見されないし、あなたもそれを生きることが出来ません。
1.思いを思いのままで終わらせない
「思い」は、「これを実現したい!」というような分かりやすい夢の形をとることもあれば、「◯◯は嫌だ」というような抵抗感、悩み、まだ言葉にならないエネルギーとして存在している場合もあります。
思いだけがあって場がない場合、どんなに思いが強くても、周囲からは見えません。社会的にはゼロの状態です。
そんなとき、その思いを反映した「場」をつくり出せれば、その場を必要とする人が集まり、場を通して社会とかかわれます。思いを思いのままで終わらせず、場として昇華させるのです。
これは「場づくり」をするべき、根源的な1つめの理由です。
2.自分と自分がいる場がマッチしていない
人は生活のなかで、様々な場に身を置いています。家庭や学校、職場など、すべて「場」です。「場」に身を置かなくては、生活していけません。
それらの場は、あなたにふさわしい場ですか?
息苦しかったり、嘘の自分を表現したりしていませんか?
場と自分が不一致のとき、2つのアプローチがあります。
1.自分を場に合わせる
2.場を自分に合わせる
100か0かではありませんが、前者だけに偏ると、その場では自分を発揮出来ず、充実感も感じられません。もっと自分を大切に扱うなら、場に関与することになります。このように、目の前の場を変えるのも場づくりです。
自分の内面と、その場がそうであることはつながっています。どのような立場でも、場に関与することが出来ます。
これが「場づくり」をするべき、2つ目の理由です。
3.自分が前に進むために
動き出そうと思っても、動き出せない。前に進めない。
やりたいことをやれと言われても、どうしていいのかわからない。
じつは、こんなときにも場づくりです。
こういう状態の人は、まず周囲の場に満足していません。その場で過ごす自分に、満足していないのです。
他人は「何が不満なの?」と言うかもしれません。でも、どう言われようと、こうした思いは拭いきれません。
自分のための場を、設定する必要があります。
自分の内面と対話してやりたいことを探る。
様々なことに実験モードで取りかかってみる。
何らかの動きをつくっていく必要があります。
自分の内面に「だけ」アプローチすると考え過ぎになったり、ぼんやりしてしまったりしますが、場があれば違います。心の辺境を歩きまわるだけでは、心のなかを深く知れても、人間社会にコミット出来ません。
場と自分の内面はつながっています。
場をつくり実験モードで取り組めば、場を通して自分を知り、停滞した状況に新しいエネルギーと変化を呼び込めます。いわば、メタ的な場づくりですね。これが3つ目の理由です。
まとめ:主人公として生きるために
場づくりをするべき、3つの理由。
どのアプローチにも共通しているのは、「自分=主人公」ということです。
答えは、いつも自分の中にあります。
でも、それを見つけて形にしなければ、その答え=可能性は、生活のなかに存在出来ません。社会のなかで「場」として出現させる必要があるのです。
ただ空気を読むのは、場づくりとは違います。
ただ人の世話をするのも、場づくりとは違います。
自分という存在を消しては、場づくりは出来ません。
自分らしく生きることに責任を負う。
自分が自分らしくあることを通して、相手が相手らしくあることを保障する。
それらが、場づくりの基本的態度です。
あなたは何のために場をつくりますか?
(文・長田 英史)