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陰口・悪口・噂話は場壊し! 本音と信頼で場をつくろう

陰口・悪口・噂話は場壊し!本音と信頼で場をつろう

もし陰口・悪口・噂話の輪があったら?

陰口・悪口・噂話は、場を壊します。「場づくり」ではなく「場こわし」です。口にしないだけでなく、そういう輪に加わらないことが大切です。「ちょっとくらいなら…」と軽くみないで、自分を律する必要があります。

形だけの「賛成」はただの嘘つき

会議を開いて「わたしも賛成です」と言っていたのに、会議が終わると別のことを言い出す人がいます。

「一応賛成したけど、うまくいかないだろうね」

こういうのを「陰口」と言いますが、陰口は会議での議決を無意味化させてしまいます。

よい場をつくるために話し合う会議の場で、「賛成です」と言いながら、実際は「どうせうまくいかない」と思っている。要するに嘘をついているわけです。こういうことが日常化すると、もうその会議の議決には価値がありません。

必要なのは親しみの感情ではなく「信頼」

「さっきは賛成したけど、うまくいかないだろうね」みたいなことを言う人を、あなたは信頼出来ますか? もちろん大切な意思決定の場で嘘をつくような人を、信頼することは出来ませんよね。

場づくりにおいて、信頼はなくてはならないものです。

そして、信頼とは好意や好感とは別のものです。共に場をつくる仲間とは、別に友達である必要はありません。また、好きになる必要もありません。そんなことは、別にどっちでもいいのです。

あの人のことは別に好きじゃない。一緒に食事に行きたいとか、旅行したいとかは思わない。向こうも同じかもしれない。でも、あの人は言ったことはちゃんとやるし、おかしいと思ったら必ずそう言う──信頼とは、つまりこういうことです。

相手に親しみや友情を感じるのは素敵なことですが、そうした感情的な親しみと、信頼を混同しないでください。

「本当に思ったこと」が言えますか?

感情的なつながりがあってもなくても、大切なのは「本当に思ったこと」が言えるのかどうかです。たとえ「友達」とか「一番の仲間」とか「頼れる相談相手」とかいう言葉で位置づけられている相手でも、互いに「本当に思ったこと」が言えなければ、共に場をつくる仲間としては不十分です。

お互いが本当に思ったことを言い合う、そのことを通して意思決定をしたり、互いの思いを伝え合い尊重し合う。これは基本中の基本です。準備段階やふりかえりの段階で「言いたいけど言えなかった言葉」があると、それは現場でノイズとなり場を乱します。これをきれいにするのが場を整えるということです。

「いろいろな例外がある」とか「陰口など世の常だ」とか「本音を言わずにうまくやるのが大人」だとか、いろいろと言い訳みたいなことを言う人もいるかもしれません。でも、そういう人たちは、「信頼」という大切な問題に向き合わず、迂回しているだけです。

「本当に思ったこと」の扱い方

あなたが「本当に思ったこと」は、まずあなたにとって、次に相手にとって、そして最終的にはその場にとって、非常に重要な要素です。場づくりにおいて、それよりも優先されるべき要素はありません。

だからこそ、大切に扱う必要があります。

あなた自身の内側の「本当に思ったこと」を扱うときには、「だいたいこうだろう」などと乱暴に扱わず、「自分は本当のところ、どう感じているんだろう…?」と繊細に感じ取ってください。
相手に伝えるときにも、(それ以外に方法がない場合を除いて)ぶちまけたりせず、丁寧に伝えます。配慮とは、そのためにあります。相手に本当に思ったことを伝えないのが配慮だとはき違えている人がいますが、それを丁寧に相手に伝えるためにこそ、配慮が必要です。

陰口の発生プロセス

一番いいのは、会議であってもちょっとした打ち合わせであっても、相手がいるときにしっかりと自分の意見を伝えることです。本人を目の前にして言ってしまうと、陰口になりようがありません。逆に、本当に思ったことを言わずに我慢していると、ちょっとしたはずみで話してしまうことがあります。

言いたいことを言わずに我慢するためには、身体を緊張させておく必要があります。緊張が緩むような場面があると、するすると言えなかった言葉が出てきてしまいます。これは生理現象のようなもので、ある程度仕方がありません。だからこそ、相手に直接伝える必要があるのです。

それでも、わかっていても、タイムリーに言えないことって、ありませんか…?

陰口を言ってしまったら…?

生身の人間の集まりなのですから、全員がいつでもその場で本当に思ったことを口に出来るとは限りません。勇気が出なかったり、時間がなかったり、言葉を探すうちに次の話題に移ったり、相手が途中で帰ってしまったり…。色々ありますよね。ただ、そういう無理もないケースであっても、本人不在で話せば陰口になり、場に悪影響が出てしまいます。

それでも大丈夫。陰口を言ったとき、それをチャラにする方法があります!

それは、次の機会か、次の次の機会など、あまり時間を置かずに、相手に伝えることです。

「あのときはうまく言えなくて、後でAさんやBさんと話しているときにやっと言えたので、いまからそのことを話しますね」

こんな風に、経緯を説明しながら言うと、相手も受け入れやすいものです。

陰口・悪口・噂話──。場をつくる仲間同士でこうしたことがあると、場が傷つきます。自分がつくる場が傷つくということは、自分の一部も同時に傷ついています。本音と信頼をベースにすれば、清々しく安心した場がつくれます。

(文・長田 英史)