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あなたの活動は、オシャレなチラシやHPでは表現できない

活動の価値は、現場に存在している

NPO・市民活動の価値は、活動の現場です。オシャレなチラシをつくり、HPを綺麗に整えても、当日の場が充実したものでなければ意味がありません。受けがいいからといって活動の外側だけを取り繕うのではなく、自分の内側に根ざした目の前の場にエネルギーを注ぐ必要があります。

NPO・市民活動の変化

僕は学生の頃から、NPO・市民活動の世界にいるのですが、昔の市民活動は、なんだか貧乏くさかったな~と思います。デザインも洗練されていなくて、チラシとかは意味不明で、ボランティアどころか、持ち出しでやるのが当たり前。でも、それでもやりたい、やるしかない!──そう思って活動している人がたくさんいました。

ところが、最近は変わりましたね!オシャレです。なんだかキラキラしています。

最近は一般の人でもオシャレなデザイン制作物がつくれるツールができて、チラシやホームページなど、オシャレでキラキラしたやつが増えました。広報物だけでなく、市民活動を支援するような施設も、ステキなデザインのところが増えてきました。

貧乏くさく見えたり、アブナイ感じに見えがちだった市民活動に、一般の方々にも興味を持ってもらえるようになりました。

これはもちろんいい変化です。でも、疑問に思うこともあります。

ファッションではなく「実感」を大切にする

ステキなデザインもオシャレもキラキラも、多くの人に興味を持ってもらうために、「戦略的に」用いられるものです。抵抗感なく触れてもらい、活動を知ってもらう。そのための相手への配慮として、デザインはあるべきです。

しかしながら昨今は、オシャレでキラキラした雰囲気に、活動の主体となる人々が酔ってしまっているように、見えることがあります。

大きな予算がついた活動に取り込まれている若い人たちは、特に気をつけてほしいな、と思っています。また、経験や年齢を重ねている人たちは、若い世代を利用せず、自分で現場に出て、活動してほしいと思います。

オシャレやキラキラに酔ってしまうと、活動がファッション化してしまいます。ファッションというのは、真似ることができます。しかしながら、「場づくり」は真似ることではありません。

「場」をつくる人は、まず自分を大切にしてください。感じたことを大切にしてください。ファッションにだまされず、「実感」を探してください。

まず、活動の現場を良くすること

「場づくり」は、いつも自分の内面からはじまります。オシャレ・キラキラで自己満足せず、日和らず、自分の信じることを貫いて、活動してほしいと思います。

「場づくり」に、デザインの力は有効です。ないよりも、あった方がいいに決まっています。しかし、それは、まず活動の「実態」があり、そことのかけ算においてはじめて意味を持ちます。

まず鍛えるべきは「実態」です。「見せ方」ではありません。

「場づくり」というのは、見せ方の問題ではありません。目に見えるものだけを扱っていてはいけないのです。一人ひとりの内面と、活動の現場がつながることで、はじめて立ち顕れてくる可能性。その可能性に挑戦してください。

(文・長田 英史)