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雰囲気だけのチラシ作りを卒業しよう

チラシ広報部作り

オシャレでも内容の分からない広報物

近年は様々な制作ツールやテンプレートが登場して、洗練されたデザインのチラシ(広報物)が簡単につくれるようになりました。その分、見映えのよさに寄りかかってしまって、肝心の内容が伝わってこない広報物も増えました。雰囲気だけのチラシ作りを卒業して、本当に出会いたい人と出会える広報を考えてみましょう。

「文字ばかりだと読んでもらえない」は本当か?

おしゃれな雰囲気のチラシが出てくる前、トラッドな市民活動では、よくこうした言葉が聞かれました。

「文字ばかりだと読んでもらえない」

いまでもそういう考え方が残っています。その結果、スペースを埋めるためのイラストと大きな文字が多用されるわけですが、やはり肝心の内容が伝わりません。まるでイントロクイズみたいに、ほんの少しだけしか情報が与えられず、後は想像するしかないのです。

こうした態度は、「内容を吟味した上で参加するような属性の人たち」ではなく、「曖昧な部分情報だけで参加を決めるような人たち」を呼び寄せることにもつながります。後者の人々はそもそも詳しい情報を求めていませんから、「文字の分量や大きさ」というような、極めて表面的なことが問題になりやすいのです。

デザインを云々する前に、主催者として、だれに向けて何を伝えたいのか? その広報物を通して伝えたいことは何なのか? まずそうした核の部分をクリアにする必要があります。

「なんかいい感じ」に飽き飽きしていませんか?

核が曖昧なまま企画して広報物をつくって、何かを「始めた感じ」になってしまう。確かに「やってる感」や「動いてる感」は出せますし、それをみて「なんかいい感じ」と思う人もいるでしょう。

デザインテンプレートに流し込み、写真を加工し、ちょっと盛った言葉を選んで「なんかいい感じ」にしてしまう。その結果、おしゃれっぽい感じに仕上がっても、中身はスカスカです。せっかく優れたデザインツールがあるのに、全然活かせていないのです。

もちろんそれで欺される人や、その程度で満足する人もいるわけですが、一方でそういう「なんかいい感じ」「雰囲気だけ」の場に飽き飽きしている人もいるはずです。あなたはどうでしょうか? 何かを真似しただけの「なんかいい感じ」で満足ですか?

広報物もひとつの場だと考える

それでは、どうすればいいのでしょうか?

まず落ち着いて、自分たちがだれにむけて何をしたいのか、何を一番大切にしているのかをクリアにしましょう。主催者チームでよく話し合い、コンセンサスをつくります。

こうしたプロセスを経ていないのであれば、まだ広報(他者に伝える)という段階には進めません。「なんかいい感じ」の広報物をつくり告知だけしてしまい、後で中身を埋めるというような、おかしなことはやめましょう。広報物もひとつの場です。自分の内側にある思いを、しっかりと反映させましょう。

まとめ:広報物には魂を込める!

誰に向けて、何をしたいと思っているのか?
どういう願いがあるのか?

こうした思いは、当日の現場だけでなく、広報物にも等しく込められていなければなりません。そうした広報物を見た人が反応して、その場を訪れてくれます。逆に、趣旨を勘違いしている人や賛同しない人は、遠ざけられます。ミスマッチが減るので、成果にもつながりやすくなります。

また広報は、広報物だけでなく、どのような人々にどのようなルートでリーチしていくのかについてもワンセットで考える必要があります。その情報を必要としている人に情報を届けるのは、主催者の責任です。

チラシもひとつの場であり、場づくりの対象です。
日和らずに、あなたの思いをまっすぐに込めてください。
(文・長田 英史)