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半信半疑が始めどき! ゼロからイチを生み出すには?

いまここにない何かを実現しようとするとき

「半信半疑くらいがちょうどいいですよ」

これから場をつくる人たちに、よくそう言ってアドバイスしています。場づくりに限らないのですが、いまここにないなにかを新しくつくりたいとき、心の中が半信半疑だとしてもそれは当然だからです。ゼロからイチを生み出すのは、そんな半信半疑から始まります。

「出来そう」と「無理そう」の2つのリアリティ

「半信半疑」というのは、ぼんやりしていて全てが曖昧、という意味ではありません。

「こんな場をつくりたい!」
「こういうことを実現したい!」

そういう思いやプランのようなものはあるのです。あるけれど、本当に実現するのかどうかが分からなくて、「できそう」と「無理そう」の間を揺れるのです。

ある夜…。

「大丈夫、これでいける!」

と勇気とエネルギーが湧き出てきます。気持ちが上がって、日記やSNSなどに強気な文章を書き込んだりするかもしれません。

でも翌朝の朝の光の中では…。

「無理に決まっているよ、どうしてその気になったんだろう…」

と、弱気になったりする。
この二つのリアリティの間を揺れている状態が、ここで言う「半信半疑」です。これはなかなかしんどい状態でもあるのです。

半信半疑なら場をつくるチャンス!

もしあなたがいまこのような半信半疑の状態にあるのなら、いまこそ場をつくるときです。

半信半疑であっても、そういうイメージがあなたの中にあるのは、それを実現するために動き出せる力があなたにある証拠です。思い描いた通りになるとは限りませんが、場があなたを導いてくれます。

「思い描いた通りになるとは限らない」というのは、成し遂げられないという意味ではありません。あなたがいま想像している(想像できる)以上の現実が、あなたを待っているかもしれないということです。

それなのに、半信半疑を言い訳して前に進むことをやめてしまうと、変化は起きません。半信半疑を理由に動かないというのは、非論理的なのです。いまここにない場=現実をつくろうとするとき、半信半疑なのは当たり前です。また、実際に場が出来てあなたにとっての新しい現実が展開されるまで、ずっと半信半疑のままだからです。

場がない状態だと、何もかもが心のなかで起こります。半信半疑の中で揺れるのはきついことですが、色々やっているようでも、現実世界では展開がありません。場が出来ると、現実の場とのつながりで事が起こります。それは、あなたにとっての現実が動き出すということでもあります。

まとめ:プロトタイプから始めよう!

場づくりとは、いまそこにない現実を、新しくつくること。
0(ゼロ)から1(イチ)を生み出すこと。半信半疑で当然です。

だからこそ、ささやかでもいいので「場」をつくってみませんか?

動き出すことが難しいと感じるときには、「◯◯のための作戦会議」や「◯◯について考える会」など、メタ的な場、プロトタイプとしての場、お試し的な場でも構いません。どのような位置づけてあっても、それはあなたのつくった「場」であり、その「場」に取り組むことが、新しい現実をつくり出すことにつながるからです。

まず、目の前の「場」を大切にしてください。全力投球するのです。

そうすると、そこで「何か」をつかめます。アイデアかもしれないし、新しい現実を感じられる一瞬かもしれません。場のなかで感じ取れたことは、最初はとても繊細で、それこそ翌日になるとまるで存在しなかったかのように感じられるかもしれません。半信半疑に逆戻り? いえいえ、以前とはレベルが違います。

心の中だけで揺れていたことが、今度は「場づくり」という現実の取り組みの中で、よりダイナミックに展開されています。「前の場」で得られたフィーリングや片鱗を、「次の場」につないでいくのです。ここでもまた、そのために全力投球してください。ささやかな場だからと、力を出し惜しみしないことです。

半信半疑で、先が見えなくて、不安と期待がない交ぜの状態で、それでもはじめの一歩、そして次の一歩を踏み出す。こうして生み出された場は、当人に自覚がなくても他者を励ます力を持っています。

そして、目の前の場に集中して取り組むのは、場づくりのコツです。

「こんなすごい場を、本当にわたしたちがつくったの!?」

そうした積み重ねの結果、こんな風に思える日が来るはずです。そのとき、自分の周りに新しい現実が展開されていることに気付くでしょう。

(文・長田英史)