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組織の意思決定のタイプを正しく理解する

あなたの組織はどっちのタイプ?組織との葛藤がある人へ

組織の運営がうまくいかない、と相談されるときに、毎回のように出くわす「混乱」があります。それは、組織の意思決定の方法に対する無理解です。

みなさんが属している組織では、どういう方法で、組織としての「意思決定」をしていますか? 組織活動では様々な混乱や葛藤が生じることがありますが、意思決定の方法というのはちょっとした盲点になっています。

「トップダウン型」と「フラット型」

「意思決定」の方法で、組織を次の2つのタイプに分けられます。

・トップダウン型
・フラット型

【トップダウン型】は、「意思決定の権限がある代表者」と、「指示・命令を
受けるスタッフ」で構成されています。

トップダウン型と言われるように、上から下への情報の流れ(指示・命令)に
注目しがちですが、実際には双方向の情報の流れがあることで機能するシステ
ムです。下から上に流れる情報(報告)があればこそ成り立っています。

全セクションの情報が、トップに集約され、その情報を元にトップが意思決定をします。トップダウンなんていうと「傲慢なワンマン社長」みたいなイメージが出てくるかもしれませんが、合理的な意思決定のタイプのひとつです。トップはいわば「意思決定の係」を担っているわけです。

 

一方、【フラット型】で「意思決定」の権限があるのは、代表者ではなく「会議」です。
会議に参加する人全員に、等しく意思決定の権限があります。

会議に参加するメンバーは、等しく一票ずつ持っています。「フラット」というのは、雰囲気やムードの問題ではなく、意思決定に関する権限が「等しい=平ら」という意味合いです。

フラット型組織にも「代表者」はいますが、これは「対外的な代表者」という位置づけです。意思決定には「一票」しか持っていませんので、内部的には「1構成員」に過ぎません。

組織が対外的な活動を行う場合、内部はフラット型であっても、対外的には代表者を差し出す必要があります。契約などを行う際に、団体名や法人名だけでなく代表者氏名を明記しますよね。公共施設の施設利用でも、利用申込み書には団体名と代表者氏名の記載欄があるのが普通です。論理的には、まったく外とかかわらない組織には代表は不要です。

意思決定のタイプを正しく理解する

トップダウンとフラットでは、どちらがいいと思いますか?

じつは、どちらが優れている、ということはありません。いけないのは、どちらのタイプなのか理解せず活動することです。

トップダウン型の組織に、スタッフとして参加しているのに、「会議で意見が通らなかった」とか「うちのトップはダメだ」とか、そういう文句を言うのは、じつは筋違いなのです。

トップダウン型の組織で行われる会議は、報告が中心。意見を求められることがあっても、それは「参考意見」です。トップは情報を集約し、意思決定します。会議が開かれていて目の前でトップが決定する場合がありますが、その場合も「会議による意思決定」とは区別します。会議のときに、トップが一人で決めたのです。ちなみに、トップの「意思決定」が気にくわないなら、組織を抜けるか、自分がトップに立候補するか、自由に選べます。

フラット型の組織で、自分に「意思決定」の権限と責任があるのに、「最後は代表のAに決めてもらおう」と考えているなら、誤りです。逆に、代表者が「自分には他の人より大きな権限がある」と誤解して、勝手に決めてしまう──これも、勘違いです。

正しい理解で、よりよい組織運営を

これらのことが「よくある話」というのは、とても残念なことです。なぜなら、それは「組織の問題」というより、単に、組織の意思決定に関する無理解・誤解によるものだからです。

新しく組織を作る人も、既に活動している人も、「自分の組織の意思決定のタイプはどっち?」と、確認してみてくださいね!これは自分だけ分かっていてもダメなので、他の人とか、特に新しく加入したメンバーには、教えてあげてください。

よく、メンバーに「温度差がある」という悩みを聞きます。熱い思いを持っている人と、ちょっと引いて冷めている人がいて、話し合いや運営がうまくいかないーそんな悩みです。しかし、「温度差がない」という状態の方が、異常なのです。一人ひとり違いますから、「温度差」くらい当然あります。それでも「温度差」が問題になるのは、もしかすると、この「意思決定」の方法への理解が、曖昧なのかもしれません。

温度差をなくそうとせず、違いは認め合う。そして、「温度差が問題にならない運営」をする。そのために必要なことは、例えば次の2つです。

1.組織の意思決定の方法と、各自の立場・位置づけの理解
2.「会議のやり方」の習得と共有

特にフラット型組織の「会議のやり方」は、本当に重要です。僕が一年で一番たくさんやるのが、「会議のやり方」の講座です。それだけ重要で、また理解が浸透していないのです。このことについては、またいつか書きます。

(文・長田 英史)