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人間関係の「負債」を増やさないために

人間関係の「負債」を増やさず、ゼロの場で相手とつながる

お金に例えると理解しやすい事柄はいろいろありますが、場をつくるときの人間関係も同じです。
人間関係の「負債」が増え過ぎると、関係は破綻します。大失態! というような分かりやすい負債だけでなく、日常的に積み重なっていくなにげない負債にも、注意が必要です。

人間関係の「負債」とは?

人間関係の「負債」とは、簡単に言うと「不信感」や「不公平感」のことです。

だれかが担当している役割を放棄したり、ミスを放置したり、嘘をつかれたり、噂話の対象にされたり…。こうしたことが積み重なると、負債が積み重なります。それが大きくなると、やがて関係が破綻し、場が壊れます。
一方的な借金は、破綻へのカウントダウン。共に場をつくる仲間どうしなのに、「負債」が増えてしまう。どうすれば、それを避けることが出来るのでしょうか?

負債が生じるのは、仕方がないことだと考えた方が現実的です。「絶対に借金はしない!(迷惑をかけない、ミスもしない、やるべきことは100%やる!)」という心意気は良いのですが、実際には誰にでもちょっとくらいはありますからね。現実的な課題としては、「負債をどうやってゼロに戻すのか?」ということになります。

日常のなかで蓄積される「負債」

負債は、「大変なミスをして大迷惑をかけた!」というような事態に限らず、日常のちょっとしたことでも溜まります。

例えば、あなたが会議に遅刻して、みんなを待たせたとします。この時点で、あなたは関係性の負債を抱えています。負債をゼロにするにはどうしますか?

「ごめんなさい。遅くなりました!」

この一言で、負債はほぼゼロに戻ります。簡単ですね。もちろん、謝れば遅刻していいという話ではないですよ(笑)。小さなことでも、ちゃんと謝ろうということです。
あなたが謝り、相手がそれを許し、「お互い様だから」と客観的な態度に戻れば、関係性=場はゼロに戻ります。

あなたが担当しているのに多忙で手が回らなくなっている仕事を、だれかが助けてくれました。相手の好意ですが、やはりここにも小さな「負債」が生じます。普通に出てくる言葉かもしれませんが、「ありがとう。助かりました!」この一言で、やはりゼロに戻ります。もしも「当たり前だ」というような態度を取れば、それが負債になってしまうでしょう。

返済能力を越えないうちに…

長く続く組織などは、あ・うんの呼吸を通り越して、倦怠期のカップルのように、何も話さなくなることもあります。別に話さなくてもいいです。でも、甘えは禁物です。「ありがとう」と「ごめんなさい」くらいはしっかり言わないと、思わぬ「負債」を抱え込むことになります。

小さな負債なら返済出来ますが、返済能力を越えると破産します。そして、その時点での返済能力は有限です。破産とは関係の破綻であり、「場」を失うことです。

負債が増えて関係性に綻びを感じたら、つくり笑顔で繕わず、時には毅然と相手の不手際を指摘することも必要です。負債は、片方だけがつくっているのではなく、貸す人と借りる人の両方がつくっています。こちらかお金を貸した気でいても、相手はもっと大きな金額を貸したつもりでいるかもしれません。

コツは一番最初の出来事に絞ること

相手に文句を言ったり、ミスなどを指摘したりするときのコツは、複数のことを関連づけずに、「一番最近の出来事」だけに絞ることです。その日は、それ以外のことには触れないようにして、続きが別の日にやります。負債が大きいと、一度に返済するのには限界があります(一括返済は難易度が上がります)。
たとえ大きな負債の一部、小さな負債であっても、それがゼロに戻ると関係性はその分だけ良くなります。その良くなった関係性を足場に、別のことにも手をつけられるので、色々なことがやりやすくなります。

また、ミスというのは、だれにでも必ず起こります。そのため、当事者は隠さず、周囲はしつこく追求しないのが一番です。これがいつも出来ていれば、たとえミスが起きても、「負債」につながりません。

負債のことばかり話しましたが、もちろん「信頼」という貯金も出来ますよね。長い付き合いの仲間と育んできた信頼関係は尊く、普通ならくじけてしまうような状況でも、そこからがんばれます。負債のないゼロの場で相手と向き合えれば、信頼という財産を築くことができます。

(文・長田 英史)