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相手が選択できるようにしていますか?

自分を発揮することで相手が選択できるようになる

自分が「本当に思っていること」を言わず、相手に合わせた言動や態度をとる。これを「大人の配慮」だと言う人もいますが、知らないうちに相手が選択するチャンスを奪っているのかもしれません。

気に入られようとすると混乱する

「相手が選択出来るようにしているか?」

これは、場づくりのあらゆる場面で出てくる、自分の言動を振り返る際の、根源的な問いです。

例を挙げましょう。

なにかの場の告知をするために、チラシをつくるとします。もちろん「来てほしい!」という思いがあって、チラシをつくりますよね。
この「来てほしい!」という気持ちが、「相手に気に入られたい」という行動につながってしまうと、場の混乱を招きます。場と人がミスマッチしてしまうのです。

自分たちの場を紹介するとき

僕は、自社で主催するセミナーやクラスを告知するときには、趣旨や内容をありのまま、そして詳しく書いています。

場づくりクラスの案内なども、かなり細かいです。

こうして細かく要素を列挙していくと、

「あ、こういうのは嫌な人もいるかも…」

と思うこともあります。ちょっと突っ込んだ内容や、色が出る内容など、個性的な要素は好き嫌いが分かれます。

こんなとき、あなたならどうしますか?

抵抗を感じる人がいそうだから、書くのをやめますか?
それとも、やっぱりそのまま書いちゃいますか?

謙らない 背伸びもしない

僕は、ありのまま、そのまま書くことにしています。

もちろん、多くの方と同じように、誤解のないよう推敲しますし、同じ内容ならば、抵抗なく受け止めてもらえる表現を用います。でも、基本的には、そのまま書いちゃいます。

そうなると、その内容が嫌だな、違うなと感じる人は、参加を見送って、その場には来ません。クラスには来てほしいけど、それはそれで仕方がないと思っています。万人に合う場などありませんからね。

逆に、個性が光る内容に反応して、

「あ、こういうのならいいかも…!」

と感じた人が、来てくれます。だから、初対面でも、既にあるレベルでの交流のようなものが成立しているのです。

本音を隠すことは相手の選択権を奪うこと

この観点は、日々の会議や打ち合わせ、日常会話など、あらゆるレベルに応用できます。

会議で発言するとき、本当の意見を述べていますか?

こんなことを言うと、こう思われるかもしれない。だから、本音は隠して、別の意見を述べておこう。日本の会議では、こういう態度が蔓延しています。

しかし、これでは相手の選択権を奪うことになります。

あなたが、本当に思っていることを丁寧に伝えると、相手はそれが気に入るかもしれないし、気に入らないかもしれない。気に入れば同意するし、気に入らなければ別の意見が出てくる。こうしたやりとりの結果、その場にふさわしい結論が導かれます。
この結論は、やりとりのプロセスを通らなければ、決してたどり着けないところにあります

相手に合わせるのではなく自分を発揮する

「嫌われたい」なんて思う人は、そうそういないと思います。僕は「みんなに好かれたい」とは思いませんが、わざわざ「嫌われたい」とも思いません。あなたはどうでしょうか?

この「嫌われたくない」という思いが先行してしまうと、日和ったり、本音を隠したりして、自分や場が混乱します。相手の選択のチャンスを奪ってしまうのです。
結果、場に合わない人を引き寄せ、合う人を遠ざけることになります。場はアイデンティティを見失って混乱します。

相手に合わせるのではなく、自分を発揮してください。
選択は、相手に任せるしかないのです。

だれかと仲良くなりたければ、相手の好きそうなお店にばかり案内するのではなく、自分の大好きな店にも案内するのです。結果は…わかりません。

でも、本当の自分を出すことで、あなたの物語が動き始めます。
本当の自分自身を表現することから、場づくりは始まります。

(文・長田 英史)